本日は、いわき交響楽団の第32回定期演奏会に行って参りました。演奏が始まる前の緊張感。指揮者に
オーケストラの視線が集中する瞬間。そして、美しい旋律が流れるその空間と時間。それらを味わえる
生の演奏会はやはり心の栄養になるようです。
そして、本日のはじめの曲、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」のゲストはまだ20代の若き
ピアニストでした。彼は何と、オーケストラとの共演は今日が初めてなのだそう。どんなに素晴らしい
演奏家でもこの「初めての日」があり、また、演奏家に限らず、どのようなお仕事をされる方にとっても
「初めての日」はあります。この「初めての日」って、とても大切。私も初めて教壇に立った日、初めて
自宅教室、自宅サロンでレッスンをした日、初めて出張レッスンをした日・・。これらの日の心意気、
緊張感、想い、喜びと失敗を決して忘れません。そこからの一歩一歩は非常に大事で、私は大学生の時に
行なった教育実習日誌を今でも宝物のように大切にしております。そこには私の初心がたくさん詰まり、
読み返すと、心がぶれず、身が引き締まる思いがするのです。
今はこのように様々なお仕事を持つようになりましたが、どのようなことをするにしても、この初心を
忘れずにこれからも頑張って参りたいと思っております。
ベートーヴェンの「皇帝」。若きピアニストが奏でる堂々とした音色と共に、私の初心も改めて思い
返すことができた素敵な演奏会でした。