昨日の日本料理店での研修では、2時間の講義の後、
実習も行いました。その時に襖の開け閉めの練習も
いたしましたが、まず襖を開けるということは
とても重要な行為です。
今の住宅事情ですと、和室が少なくなり、また、
和室があっても、礼をふまえて襖を開けるということは
あまり日常的にはないかもしれませんね。
でも、日本の襖と西洋のドアはお部屋の出入り口という
役割は同じでも、襖の方がはるかに日本的な奥の深い
意味があるのは、襖に鍵がないことからでも想像できる
かと思います。
襖は、平安時代の掛け布団を意味した「衾(ふすま)」
に由来していて、寝ているところの仕切りとしても用いられて
いたと言われています。
日本は比較的安全な国であるため、お部屋に鍵をかける
という習慣はなく、襖でも十分仕切ることはでき、
またそこに絵を施すことによって芸術性も持たせていました。
そしてお部屋に入る時には黙って勝手に入るということは
もちろんせず、中にいらっしゃるお相手のことを思って、
ドアのようにバッと開けるのではなく、
襖は三手で開けるという礼儀作法があるわけです。
まずは開ける前に、お部屋の中の空気を読み、そして
自分の息を整えてから、中の方との息を合わせるように
気持ちを寄せます。そして、三手のうちの一手、
少しだけ(5㎝ほど)開ける時には
「これから襖を開けて入りますので失礼いたします。」
という意味を込めています。
襖の開閉にも礼儀作法があるのは、お相手に対する
思いやりを形にしているからなのですね。
鍵はなくても、心の鍵で信頼関係を築き、心地よい
心のやりとりが出来る日本人は素晴らしいと思います。
たとえそのような機会が無いとしても、
やはり、その精神文化は大切にしていかなければ
いけないのではないかと改めて感じました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
YouTube『エクラの風』Vol.27を配信いたしました。
「心地よいコミュニケーションをとれるコツ」
コミュニケーションは私たちが生きていく上では
なくてはならないもの。
プライベートでもビジネスでも
より良いコミュニケーションのために
ご覧頂けましたら嬉しく思います。→こちら
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『 夢の音読 』
~心が前に歩き出す 365日の言葉の花束~
Amazon・全国書店にて発売中!
Amazonはこちらから→☆
『自分を知るとうまくいく』
Amazon Kindle 電子書籍はこちらから→☆