子どもの頃、いつも家では母の弾くお琴の音が耳に入って来ていました。演奏会前になると更に
それが増し、BGMのようにゆったりと流れているのとは異なり、「練習!」の色が濃いため、優雅とは
かけ離れていたような感覚でした。私も小学生の頃、少々やってもみましたが、弦楽器よりも鍵盤の方が
良く、ピアノを弾くことに。でも大人になるとやはり、弦楽器の奏でられる音色に酔い、ヴァイオリンや
お琴、お三味線の魅力が分かってくるものです。
今更習うことも出来ないので、専ら聴くのみですが、毎週日曜日の朝にやっている『題名のない音楽会』は
秘かな楽しみです。時々、日曜日もレッスンがありますので、見られない時のために毎週の録画も欠かせ
ません。先月末は発熱で寝込んでしまいましたから、本日、その録画分を見ることに。そしてたちまち、
『AUN J クラシック オーケストラ』による迫力ある素晴らしい演奏で、画面に引き込まれ、聴き入って
いました。
『AUN J クラシック オーケストラ』は和楽器をアップデートしたオリジナル編成グループです。
和楽器は西洋楽器とは違い、もともと一緒に演奏するように曲を作られていないので、お琴の十三弦、
十七弦、お三味線、尺八、篠笛、和太鼓等を合わせるのは至難の技なのだそうです。
最近、和楽器で日本の伝統曲だけでなく、テンポの良いオリジナル曲や西洋アレンジ曲を演奏する演奏家
の活躍も増え、海外の方たちにも人気ですが、日本人の私たちも改めて和楽器の魅力を感じることが
出来る良い機会を与えられているような気が致します。才能に溢れた演奏家の方々が和楽器の可能性を
追求し、これからも一層私たちを魅了して下さること、本当に楽しみです。