私たちがいつも使っているお箸は、その昔、人と神様を結ぶ橋渡しのお道具でした。それから徐々に
一般に普及していき、8世紀頃にはお箸文化も定着したようです。
さて、西洋のナイフ&フォークは・・というと
意外にもフォークの歴史が浅く、16世紀になってからで、それまではナイフでお肉を切りながら、
手づかみでお食事をしていました。ヨーロッパではイタリアで初めてフォークを使われるように
なりましたが、イギリス人の見聞録によると、「イタリア人は一方の手に持ったナイフでお肉を切る間、
反対の手に握ったフォークでそのお肉をお皿に押さえつけている。なぜ彼らがこんな奇妙な食べ方をする
のかというと、皆が手を清潔にしているとは限らないと考えて・・」というくだりがあるように、最初は
「奇妙な食べ方」に見えたよう。そしてフォークと言っても初めは2本のナイフを用いていたのですが、
それでは使いにくいので、次第に先が2本のフォーク、やがて3本となり、その後現在の4本に落ち着き
ます。そのようにカトラリーも時代とともに変化があるのです。
本日はテーブルコーディネートのレッスンで、テーマは「エレガントスタイル」講義は「カトラリー」
についてをお話し致しました。カトラリーとは一般に、食卓用のナイフ、フォーク、スプーンの総称です。
ちょっとした歴史を知っていると、普段何気なく使っていたフォークでも、これがもともとは先が
分かれていなかったなんて、さぞ不便でしたでしょうに・・とまじまじと眺めてしまいます。
でも私たち日本人、お箸もカトラリーもどちらも不自由なく使えるので便利ですね。