和敬清寂〜敬う心〜

 「和敬清寂」のお話は以前もしたかもしれませんが、

先日のトピックにしました「和の心」にも通じるところがあり、

また、私たちの日常でも温かい人間関係を築く上で、

とても大切な心得だと思っております。

 千利休が茶道の精神を表す言葉として使ったと言われる

宋代の劉元甫(りゅうげんぽ)の語なのですが、意味は

「茶道で主人と客は心和やかにお互いを敬い、

茶室、茶道具などは清楚、質素を心がけること。」

お茶室という狭い限られた空間の中で、

いかに茶人と招かれた客が心地よいコミュニケーションを

取ることができるのかは、この「和敬清寂の」精神が

あってこそのことです。

そして、この精神はお茶の席に限らず、実は

私たちの日常のコミュニケーションでもとても大切なこと。

 コミュニケーション術や、トーク術、恋愛術など

世の中には様々なテクニックが溢れています。

今は本のみならず、インターネット、YouTube等でも

簡単にその術を手に入れることができますので、

何とかそれを学んで、生かそうとする方もいらっしゃる

とは思います。

もちろん、そのテクニックを否定することはしませんが、

心地よい人間関係を築くためには、

その術だけでは、結局は難しくなるはずです。

何が必要なのでしょうか。

やはりそれは、お相手を敬う心ではないかと思うのです。

 いくら会話が上手でも、いくらお相手を喜ばせる

テクニックがあったとしても、そこに

お互いを敬う気持ちがなければ、温かい関係は生まれ

にくくなってしまいます。

 インターネット、本だけでは「スキル」を身につける

ことはできても「心」を磨くことはできません。

でも本当に大事なのはその「心」の部分です。

どうしてもスキルやテクニックに思考を奪われがちですが、

何でもやろうと思えば簡単に身につけることができる

現代だからこそ、一度原点に戻って、

人と人との「敬いの心」の大切さを意識して、

より良い人間関係を作ることができれば、

もっと温かい社会になるのかもしれないと感じるこの頃です。

 

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